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日本画 石本正
日本画家 石本正(いしもとしょう)は1920年(大正9年)に島根県の浜田市三隅町に生まれた日本画家である。京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)に入学したが在学中に徴兵され中国に渡り、ようやく卒業できたのは復員後のことである。そして1947年(昭和22年)に第3回日展に「三人の少女」を出品しみごと初入選を果たし、以後数々の賞を得ている。1971年には第21回芸術選奨文部大臣賞を受賞したのだが、それ以降は一切の賞を辞退している。 京都にアトリエを置く彼はこよなく京都を愛し、自ら「ぼくは京都で生き、京都で育ててもらった」と語っている。その思いを2011年から2年がかりで京都を舞台とした40点の作品を描き上げ、「石本正新作展 京への想い」と題して発表している。その作品の中には京都府京田辺市にある「天王の牡丹」や「舞妓豊千代」などがあるが、いずれも京都に対する愛情を深く感じさせる作風となっている。 石本正の作風は一見すると洋画かと見まがうほど日本画の既成概念を超えている。それは京都市立絵画専門学校での固定概念に縛り付けようとする授業に対して「とても窮屈なものだった」と回顧するように、たえずジャンルや技法に囚われることがない。こうした彼のオリジナリティーの由来は少年時代に培われた心の原風景にあるようである。彼自身の言葉の中に「映画で見たたハンガリアンラプソディーをノータクトの手と指だけで指揮するシーンが頭にこびりついて、思わず裏庭の木々を楽団員にみたてて真似をした記憶がある」と言う様に、この少年時代に体験した音楽や故郷の川遊び、トンボ採りなどが彼の創作活動の原点であると言えよう。 再び彼自身の言葉を紹介しょう。 「絵は心であり、対象を見た時の感動をそのまま画面に定着させるのが最も大事な事です」 年に3~4回開かれたことのある「石本正絵画教室」では、技術指導は一切なかったと言う。石本は自分の創作に没頭。参加者は、石本の無心に描く姿を見て、絵を描くよろこび を学んだという。
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